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2022年5月6日金曜日

「みんなで解決! 子ども科学電話相談」は7日(土)午後6時5分から

「子ども科学電話相談」がテレビに登場! 5月7日(土)の夜6時5分から、NHK総合テレビで「みんなで解決! 子ども科学電話相談」が放映されます。5日(木)のラジオでちょっとだけお話ししたとおり、私の大学のゼミ生とともに、実験を行なった様子が収録され、放送の予定です。何を実験したかは、放送をお楽しみに!

子どもたちからは、とても多くの質問が寄せられます。実際に放送で取り上げられるのは残念ながら、ごく一部。答えられなかった質問の中には、私自身がうまく説明できない、あるいはわからない、というものもあります。

答える内容について自分自身が理解できても、それを子どもたちにわかってもらえる内容にしないと意味がありません。説明を終えて「わかったかな?」と尋ねたときに、電話の向こうのお子さんから「わかんな〜い!」と返答されると、がっくり(orz)くるのです…   そうならないように、何かの喩え話をしてみたり、スケールを変えてみたりしながら、具体的な絵が思い浮かぶような話をします。そのとき、喩え話が正しいのか、自分で実際に確かめたくなります。

また、私自身がまったくわからない、という場合には、実験できるのであれば実験したくなります。ただ、すぐにできる実験もあれば、そうでない実験もあったりします。また、実験ができたとしても、疑問の答えがすぐに結びつくかどうかもわかりません。

今回のテレビで扱われる実験は、なかなかできない実験で、お子さんの質問にはまだ答えを出せていないのですが、ゼミの学生たちと一緒に答えを探している最中なのです…

ぜひ、5月7日(土)の夜6時5分から「みんなで解決! 子ども科学電話相談」をご覧ください!

2022年5月4日水曜日

連休で静かな大学構内

大型連休です。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。私はいつもとほとんど変わらない毎日です。

日中は暖かくても、朝夕はまだ気温が低い日々が続いていますが、大学の構内は緑が眩しい季節になりました。研究室の前の並木にも若葉が見え、きれいな景色です。

法政大学 多摩キャンパス 研究・実験棟からの風景

今日は連休時の移動ピークということで、あちこちの高速道路が渋滞しているようです。街中も車が多いように思います。

そんな連休中ではありますが、明日の5日(木・こどもの日)はNHKラジオ「子ども科学電話相談」の回答担当にあたっています。4・5日は特別編成なので、朝8時5分から11時50分までの放送となります。どんな質問が取り上げられるでしょうか…   ぜひ、お聴きください(「聴き逃し」でも提供されます

2018年9月18日火曜日

夏休み子ども科学電話相談

今年も NHKラジオ「夏休み子ども科学電話相談」が8月31日(金)に無事に終了しました。ただ、今年の放送では、この番組のすべての放送の「聞き逃し」サービスが、9月末日まで延長されています! 聞き逃しはこちらからアクセスできます。さらに、いくつかの質問は NHK が文字起こしをして、ホームページに公開されています。ぜひ多くの方々にお聴きいただき、またテキストをご覧いただきたいと思います。

この番組で私は「科学」という分野を担当していますが、この「科学」という枠組みはとても広いと思われがち。でも、世の中のすべての現象はきっと「物理学」という学問で説明できると信じて(?)いる私にとっては、いかに矛盾なく現象を説明できるか、ということを考えて説明しています。物理学といえば、みなさんもすぐに連想するであろう、運動・熱・波などを扱う分野です。これらの法則を使って、きっと世の中は説明できるだろうと考えて、小さなお友だちにもわかるように説明しているのです…

毎日の天気の移り変わりや、テレビに映像が出るしくみ、生き物の心臓が動くことも、物理的に説明することができます。物理というのは自然科学の分野のなかでも、もっとも基本的な領域なのです。

「なんでも科学で説明できます」と言っても、世の中には現代の物理では説明できないことがあるかもしれません。でも、それはきっと、

  • 私たちがまだ知らない科学法則があるから
  • 私たちが見たり認識したりした現象が、じつは正しく認識されたものではなかったから
のどちらかなのだろうなぁ、と私などは思ってしまいますが。

でも、子どもたちはそんなことにお構いなく、質問を投げかけてきます。こんな質問には、みなさんならなんと答えますか? 「妖怪って、いるんですか?」

これはかつての放送で実際に取り上げられた質問で、私が答えた(「これも科学なの?」とネット上で呟かれたのですが)ものですが、みなさんなら、なんと答えますか? 後ほど、私からの回答を取り上げます。それまで、みなさんの回答をご用意ください。



2018年5月14日月曜日

海外にお金を送る

みなさんは海外にお金を送ったことはありますでしょうか。最近はインターネットで海外から商品を購入することもできるようになりましたので、いくつかの手段を経験した方もおられるでしょうか。

最近の気軽な方法といえば、PayPal でしょうか。これは、インターネット上に口座をつくり、これらの口座間で資金をやりとりする方法です。日本の利用者の場合、自分の PayPal の口座には銀行振込などではなく、クレジットカードから口座に入金しなければなりません。クレジットカードを持っていない人は利用できないという欠点はありますが、手数料が安いということもあり、広く使われているようです。ただ、かつてクレジットカードの番号を不正に入手し、PayPal を利用して現金化したという犯罪に使われたこともありました。最近はセキュリティーも厳しくなり、そのようなことに利用されないような工夫もされているようです。

ほかの方法としては、銀行口座にあてて送金するものがあります。こちらは各国の銀行が行うものですので、安心感をもって利用できます。ただ、海外の銀行口座を特定するために使われる方法(SWIFTコードやBICコード)があり、なかなか理解しにくい上に、日本では使われていない指定コード(IBANコード【欧州で使われる】やABAコード【米国で使われる】)などが海外振込依頼書に書かれており、銀行の担当者に聞かなければわかりにくいという問題があります。また、送金手数料が非常に高い(円貨口座から送金する場合、最低でもおよそ5,000円程度の手数料になる場合も)ことも事実です。

あるいは、為替証書や小切手で送付する、という方法もあります。銀行送金に比べて手数料も安いという利点があり、万一途中で紛失されてしまっても、取消手続きを行うこともできます。相手に届くまでに時間がかかるという欠点もあるのですが。

私に関係するところでは、国際学会に出席する場合の参加費など、ほとんどの場合がクレジットカードでの決済です。銀行振込の方法は立替払いができないときなど、特別な事情でなければ使われなくなっています。海外にお金を「送る」ということ自体が、クレジットカードの普及でかつてよりも格段に少なっているかもしれませんね。

2018年5月10日木曜日

会議を記録するために

最近、「記憶の限りでは」という言葉がニュースを賑わせています。「発言したかどうか定かではない」などという発言が取りざたされていますが、みなさんは会議や打ち合わせのとき、どのように記録されていますか。

一般的には、紙にメモを取ることが多いと思います。誰がどういうことを発言したか、どのような結果になったのか、次の会議までなにを用意しておけばいのか、などについて、短い時間で理解・判断しながら記録していきます。複数の人が記録をとれば、内容がわずかに(ときには大きく)違っているという可能性もあります。事実誤認と言われるものです。その場合は記録を突き合わせながら合意の道を探ります。合意できなければ、その合意を取ること自体が、次の会議の議題になるかもしれません。

最近の会議では、誰がなんと発言したかをより正確に記録するため、誰かが ICレコーダーで音声を記録していることが多くなりました。10年ほど前でも、比較的よく使われていたと思います。これがあれば、誰がなにを言ったのか、丸ごと記録できますし、デジタルデータとして永久的に保存できます。

現在の技術はさらに進んで、記録されたデジタルデータから「文字起こし」をしてくれるシステムも存在します。この技術は改良中で、人工知能(AI)の学習機能を活用し、誤字のない正確な文字起こしを行うための研究も行われています。

さて、最初に述べた話題で、その会議を ICレコーダーで記録していた人はいないのか、とても興味あるところなのですが・・・

2018年5月7日月曜日

運転免許更新の講習

今日、自動車運転免許の更新に行ってきました。免許制度では、この免許更新のタイミングで「更新時受講」を受けなければ、運転免許は更新できないことになっています。一般的には、更新の申請書を提出し、視力検査などの適性検査を行い、そのまま講習を受けるという流れになっています。

講習では、変更となった道路交通関係の法規についての説明や、最近の交通事故の状況について説明され、運転者の注意喚起を呼びかけます。

その中で、交通事故死者数の推移について説明がありました。近年、交通事故死者数は減少傾向にあり、直近の5年間では
2013年  4, 388人
2014年  4, 113人
2015年  4, 117人
2016年  3, 906人
2017年  3, 694人
となっています(警察庁「道路の交通に関する統計」2018年1月発表)。

ここで発表されている「交通事故死者数」の定義は、交通事故によって亡くなったすべての人が計上されているわけではありません。この統計では、交通事故発生から24時間以内に亡くなった方の人数です。

交通事故発生後、24時間を超えてから亡くなってしまう場合もあります。現状を把握するため、「30日以内死者」についても統計が発表されています。最新の統計(警察庁「平成28年における30日以内交通事故死者の状況」2017年5月発表)は2016年のデータのようですので、2013年から2016年までを示してみると、
2013年  5, 165人
2014年  4, 838人
2015年  4, 885人
2016年  4, 698人
となっており、確かに減少傾向にはありますが、事故発生後24時間以内の死者より15〜20パーセントほど多い数値になります。 報道で発表される「交通事故死者数」は、24時間以内の死者数が発表されますが、その数に含まれないままに亡くなってしまう方も相当数で存在する、ということです。

慎重に運転していれば、より注意していれば、防ぐことのできた交通事故が多数あるという講習内容でしたが、悲惨な交通事故の当事者にならないように気をつけたいものです。

2018年4月29日日曜日

古い書籍を探して

読んでみたいなぁと思う書籍があったので、インターネットで Amazon や大型書店の検索機能で探してみましたが、「在庫はありません」あるいは「現在お取り扱いできません」という結果が返ってきました。欲しいと思った書籍が、いつでもすぐに手に入るという状況はなかなか実現できません。近年は Amazon をはじめとしたインターネット通販の登場もあり、書籍はかつてよりも格段に入手しやすくなりましたが、それでも古い書籍の取り扱いはほとんどないようです(場合によっては古本のリンク先を紹介されています)。

年間、おおよそ80,000点もの書籍が新たに出版されているという統計があります。一日あたりにすると 200点以上の新刊書籍が発行されているということになります。これほどの数であれば、これまで発行されたすべての書籍を書店や出版社、あるいは流通業者が保管しておくことがいかに負担であるか、を理解できるような気もします。

最近の書籍は電子化されたものも同時に(あるいは時期をずらして)発行されることも多いようで、保管に特別な空間を必要としない電子版が今後はさらに増えていくことでしょう。

読者の観点から言えば、古い書籍を先に電子化してアーカイブしていただけると需要があるはず。なかなかそうならないのは、きっと権利処理の関係が大変なんだろうなぁ、と思っておりましたが、実際は古い書籍の点数が膨大すぎて、とても作業が現実的ではないということが事実かもしれませんね。

私の読みたいと思っていた書籍(1960年の出版物)は、勤め先の図書館にありましたので、連休明けにでも借りに行くことにします。こういう古い書籍をすぐに確認できる図書館は、ありがたい存在です。

2018年4月28日土曜日

ゴールデンウィーク

毎年恒例の大型連休。人によっては、今日から9連休という方も多いとか。「ゴールデンウィーク」という言葉は、英語圏で使っても通じない、いわゆる和製英語です。英語で表現しようとすれば、“long vacation” とか “long holidays” でしょうか。

インターネットで提供されている『語源由来辞典』によれば、ゴールデンウィークとは1951年(昭和26年)に公開された映画の広報活動に合わせて、かつての映画会社「大映」で作り出した造語とか。

この時期になるとよく耳にするゴールデンウィークですが、NHKではこの言葉は使わないことが、NHK放送文化研究所のホームページで説明されています。NHKでは「大型連休」あるいは「春の連休」などのように表現するとか。なぜ、このようにしているかという理由が上記のリンク先に示されているので、ぜひご確認ください。

連休とはいえ、本来は5月1日・2日は平日ですから、通常どおりに勤務・通学する人もいることでしょう。朝の通勤・通学の電車は空いているのかもしれませんね。現代社会では多くの人が一斉に休日を取ってしまうと、世の中が動かなくなってしまうようになりました。私が子どもだったころは、日曜日や祝日は(今から見れば)不便だったような気もします。逆に土曜日は午前中は普通に学校もありましたし、仕事もあったのですが、今は社会的には休日であることが当たり前、という雰囲気ですね。

さて、皆様のゴールデンウィークはどう過ごされるのでしょうか。健康と事故には気をつけてお過ごしください。

2018年4月21日土曜日

パスワードを使い回していませんか?

電子メールやスマートフォン、パソコンへのログインのときに必要なものが、パスワード。みなさんのお使いのパスワードは、安全でしょうか。

米国のセキュリティー・コンサルティング企業の TeamsID が、毎年 “Worst Password” を発表しています。「こんなパスワードは、すぐに破られますよ」という警告です。どんなパスワードがランク・インしているかというと、
  1.  123456
  2.  password
  3.  12345
  4.  12345678
  5.  football
  6.  qwerty
  7.  1234567890
  8.  1234567
  9.  princess
  10.  1234
というランキングになっています。ちなみにランキング1位と2位は前年度と同じ。不動の地位(⁉︎)を占めています。第6位の “qwerty” は、日本語としてはいかにもパスワードに感じられますが、キーボードの左上のキー並びですね。

最近のシステムでパスワードを設定するとき、
  • アルファベットの大文字と小文字を含むこと
  • さらに数字も含むこと
というようなルールになっているものもありますね。単にアルファベットの小文字だけであれば26文字ですが、大文字を含めると52文字、さらに数字を含めると62文字となり、これらの文字の組み合わせは膨大な数となりますので、第三者から推測されにくくなります。

パスワードを長くすればするほど、強固なものになりますが、その反面、当の本人が忘れてしまうという事例も起きやすくなります。さらに、かつては「パスワードは定期的に変えましょう」と内閣サイバーセキュリティセンターが呼びかけていたこともあり、多くのパスワードを変更しながら、何種類もの覚えられないパスワードに溺れてしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。忘れないためには書き留めておくことが一番ということで、パスワードのリストを書き出して、そのリストをどこかに置き忘れたりした方はいませんか?  そうすると、とても複雑なパスワードを1種類だけ確実に覚えて、そのパスワードを使い回してしまえ、というようなことになってはいませんか?

忘れることを防ぐため、利用者は複雑で忘れにくいパスワードをつくり、多くのシステムで使い回していることが実情のようです。これでは万一のときに複数のシステムへの侵入を許してしまうことになります。

定期的に変更するよりは、確実に覚えた複雑なパスワードを使った方がセキュリティーに対する効果は高い、ということで、2016年から内閣サイバーセキュリティセンターでは、パスワードの定期的な変更は必要ではなく、アルファベットと数字を組み合わせて10文字以上のパスワードをつくることを推奨しています。

みなさんのパスワードは大丈夫ですか?  どこかにメモしたりなどしないよう、ご注意ください。

2018年4月16日月曜日

昨今の学生の就職活動事情

この時期、大学 4年生が就職活動を行っています。私のゼミに所属する学生たちがときどき、履歴書や ES を見て欲しいと研究室にやってきます。ES とは「エントリーシート」のことで、私たちの年代の人々が就職するときには存在しなかったような気がしますが、私が受けた就職試験にはたまたまなかっただけかもしれません。

そのような書類を見ていると、注意書きにこんなことが書かれていました。

  • 消すことができるペンで記入しないこと

果たして、消せるペンで履歴書を書く学生がいるでしょうか。就職活動などで先方に提出する書類を、ボールペンで書くことは当たり前だと思っておりました。なにも書類に注意書きとして示さなくても、その程度のことは誰でも理解していると思っていたのですが。

ただ、私たちの時代にはボールペンといえば消えない筆記具として通用していましたが、みなさんもご存知のとおり、こすると消えるインクが大ヒットする時代。もしかすると、そんなインクで履歴書を書いてしまう人がいるのかもしれません。

さらに履歴書や募集要項をよく読むと、さまざまな注意事項が書かれています。まるでそれだけでもマニュアルのように思えるほどです。さらに驚くのは、履歴書や ES を書くための「虎の巻」が何種類も販売されていること。「虎の巻」とはすでに死語らしいのですが、今風にいえば「カンペ(カンニングペーパー)」ですね。ガイドブックが何種類も書店に並んでいます。これらの本には、ご丁寧に書くべき具体的な内容や、マーカーで色をつけたり、マスコミ関係に提出する場合には、目立つようにさまざまな色のマーカーで美しく仕上げる(私から見ると相当に派手と思ってしまいましたが…)のがいいのだ、とか書かれています。

提出された応募書類のうち、これらのガイドブックに「ならって」書かれたものはいったいどれほどあるのだろうかと、ふと疑問に思いました。現代社会では「自分らしく」とか「個性」などのキーワードでくくられるように育ってきた世代の学生ですが、このような本が売れているということは、もしかすると学生たち自身が「自分らしい」ということを認識できなくなっているのかもしれません。大学 3年生の 3月までは個性豊かでセンスのいい服装をしていた人々が、4年生になったとたんに、みんなが同じような服装に一変します。

「みんなと同じ」ことに安心感をもつのか、あるいはそのように教えられるからなのか、私にはわかりませんが、それほどみんなと同じことが重要なのかどうか、就職試験が終わってから考えることが必要かもしれませんね。

2018年4月14日土曜日

地球外生命体からのメッセージが届いたら…

昨日は「総合講座I」で地球外生命体を話題にしたと紹介しました。そして「もし、地球外生命体からメッセージが届いたら、あなたはどうしますか?」と問いかけました。

学生のみなさんが答えてくれたことと同様に、まずは分析することが必要でしょう。相手が何を伝えようとしているかわからなければ、答えようがないかもしれません。メッセージの意味がわかっても、あるいはわからなかったとしても、次の行動はメッセージの送信かもしれません。なにか声をかけられたら、なんらかの回答をしなければ、と考えることは人間の本質なのかもしれません。

先日亡くなった、スティーブン・ホーキング氏はかつて、「地球外生命体からのメッセージには返答すべきではない」と語っていました。地球外生命体は必ずしも友好的かどうかはわからない、というため。地球にターゲットを絞ってメッセージを送るくらいであれば、なんらかの明確な目的をもっているのかもしれません。

もし、ホーキング氏の考え方に同意するとしたら、地球人は宇宙空間に自分の存在をむやみに「宣伝」することは控えた方が賢明ということでしょうか。しかし、残念ながらそれは手遅れのように思います。

なぜなら、私たちはすでに探査機「ボイジャー1号・2号」に地球人のメッセージを載せて、太陽系探査のために打ち上げているから。これらの探査機は現在、太陽系の外縁まで到達し、これからは太陽系をどんどん離れていきます。また、宇宙物理学的には地球からは赤外線や電波など、天体の大きさにしては不自然な放射が起こっています。

はるかに遠い将来、地球外知的生命体が、宇宙空間に漂う「ボイジャー1号・2号」を見つけるかもしれません。地球は非常に小さすぎて、なかなか観測できないでしょうが、探査機に搭載された地球人からのメッセージを確認することで、太陽系のある惑星には知的生命体が存在していることを知るかもしれません。そのとき、その知的生命体はそういう行動をとるのでしょうか…?

2018年4月9日月曜日

インターネットの功罪

インターネットは大学の授業でも積極的に活用されています。私の担当する物理学という授業では、授業中に簡単な確認問題やアンケートなどをインターネットを使って回答するしくみになっています。

最近のインターネット上のツールは、このような活用法をあらかじめ想定しているのだと思いますが、多くの人々を対象にデータを収集するためのページを作成できるようにつくられています。

インターネットを利用することには、いくつかの利点があります。

  • 用紙の配付や回収にかかる時間を節約できる
  • これまでのような回答用紙を配付する必要がないので、紙資源の節約や環境への配慮に役立つ
一方で、また弱点もあります。
  • スマートフォンを持っていない学生がいた場合、別に回答手段を用意しなければならない
  • インターネットのアクセスポイントは、一度にアクセスできる人数に制限があり、同時に大量のアクセスが殺到すると回線がパンクしてしまう
  • データが収集されるサーバーにも、処理能力の限界があり、大量のデータが一度に流れ込むと不具合を生じてしまう
などがあげられるでしょうか。従来どおりの紙媒体での処理の仕方から、データそのものを収集する方法へと時代は変わりつつありますが、すべてで代替が効くわけではありません。

最近の学術論文は、インターネット上でのみ発表され、冊子体では配付されないという事例もどんどん増えています。印刷や配送が行われない分、購読料金が抑えられたりします。私はそれでも、必要な論文は紙にプリントアウトして読んでしまうのですが…

2018年4月8日日曜日

変わりゆく教科書

私は現在、47歳ですが、小学校の頃に学んだ「十七条の憲法」をつくったとされる聖徳太子の描かれた絵の写真(3人の真ん中が聖徳太子とされているもの)を、きっとこのブログをお読みの皆さんも記憶にあるはず。かつては一万円札にも肖像が描かれ、日本人なら誰もが知っている人物と思います。

ところが最近の研究によると、その肖像画に描かれている人物は聖徳太子かどうかがはっきりせず、さらには聖徳太子そのものが実在しなかったのではないか、とまで言われているとか。

さらに、アメリカの歴史を教わる上で、奴隷解放の項目で名前があがる第16代アメリカ大統領リンカーンは、現在の教科書では「リンカン」と示され、ニューディール政策で有名な第32代大統領ルーズベルトは「ローズベルト」と示されていると、本日放送されていた情報番組(TBS「噂の!東京マガジン」)で知りました。

外国人の呼び名は、できるだけ原語の発音に近くなるように表記する流れになっています。先の大統領ルーズベルト(Roosevelt)は、確かに英語の発音に忠実に表記すれば、ローズベルトになりそうです。同じように、日本にキリスト教を伝えたとされるフランシスコ・ザビエルも、今では「フランシスコ・シャビエル」と表記されているようです。

最初の聖徳太子が実在しないのでは、というのは現時点では学説の一つに過ぎませんが、歴史的書物を分析し、史実を確認していくことによって、これまでの通説が覆されるということも十分にあり得ることです。

「教科書には正しいことが書いてある」という認識は、「教科書には(執筆時点で)正しい(と考えられている)ことが書いてある」と解釈するのが正しいようです。もちろん、このようなことは歴史だけではなく、新事実が発見されたり、解釈が変更されたりと、世の中すべてのことに言えるのでしょうね。長い間に人間の価値観そのものが変わってしまうことだってあるかもしれません。

2018年4月7日土曜日

東京・日本橋の道路元標

本日午後から、所用で日本橋へ。東京駅八重洲口から「さくら通り」を抜ければ「中央通り」に出られます。ここを左に進めば、「日本橋」があります。日本橋の上には首都高速の高架がかかっています。この橋を渡って左側に、「東京市道路元標」と示された建造物があります。これは日本の国道の起点を示すものです。もともとここにあるものとばかり思っていたのですが、そうではなかったようです。

東京市道路元標(東京・日本橋)

この写真を撮っていたら、ご婦人が「こんなにいいところに移されて、よかったねぇ」と話しています。その後、私に「これはもともと道路の真ん中にあったの。道路の真ん中は危ないから、ここに寄せられたのね」と話してくださいました。

そのとおりのことが碑に示されています。どうやら1972年に、道路の真ん中から現在のところに移設されたようです。ご婦人はもともとの場所にあったときのものしか見たことがなく、今の場所に移されたものを初めて見たとのことです。そして「移したかわりに、道路の真ん中に印が残っているはずなんだけど」と話します。「ところでね、この向こう側に、富山県のアンテナショップがあって、かまぼこがおいしいのよ」と東京駅の方に歩いて行かれました。

さて、道路の真ん中の印はどんなものなのか、気になります。橋の中央まで戻って眺めて見ると、確かにありました。金属でつくられたと思われるものが埋め込まれているようです。

道路の真ん中の道路元標
複製がありました

この金属板の複製が、先ほどの建造物の横に設置されていました。さすがに道路の真ん中まで見に行くわけにはいきませんね。

今日のご婦人の話を聞かなければ、いつも見ているこの建造物を改めて見つめることはなかったでしょう。また一つ、新しいことを知りました。そうそう、富山県のアンテナショップには行かずに帰ってきてしまいましたが、美味しいものがいろいろあるそうですよ。

2018年4月3日火曜日

春の訪れ

多摩キャンパスの構内に、紫色の可憐な花が咲いています。残念ながら私にはなんという名の植物なのか、まったくわからないのですが、散歩する方々がよく写真を撮っています。

丈は数センチ。花が大きい植物です。

そういえば、この植物は昨年まではもう少し遅くに咲いていたような気がします。授業を終えて研究室に戻るときに見かけた気が…。今はまだ授業は始まっていません。ここでは通常、4月の第2週から授業が始まるのです。もし、私の記憶が正しければ、花の咲く時期が早まったのかもしれません。今年は3月に入ってから、急に気温が上がりましたし。

「今年は春の植物の開花が早い」と、テレビ番組で話題になっていたことを思い出しました。日本気象協会によると、八王子市の桜の開花は平年よりも 6日早いとか。桜の開花とほかの植物の開花のしくみが同じかどうかはわかりませんが、おおよそ1週間、季節感が早くなったと考えれば、やはりこの写真の花も早く咲いたのかもしれません。

春の訪れは植物の開花だけでなく、新入生や新入社員の姿で確かに感じられますが、今年はひどい花粉症に悩まされています。「春霞」というよりも、大量の花粉でかすんでいるような気がしてしまうのは、私だけでしょうか。部屋の中から見ているだけで、くしゃみが出そうです…

2018年4月1日日曜日

桜の見頃は過ぎましたが・・・

目の高さに咲いていた桜の花と若葉
新年度になりました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。今年も新入生がやってくる大学ですが、本日は日曜日ですので大学の行事は設定されていません。それでも、街は家族づれで賑わっていました。

そんなことで、所用で日本橋に来ています。東京駅八重洲口から日本橋に向かう道路に「さくら通り」と名付けられた道があります。つい数日前は満開で、それはそれは見事だったのですが、すでに今日は葉が出ています。淡い桜色と、みずみずしい薄い緑は目を引きますね。

葉が出てきた桜を見かけると、いつも桜餅を食べたくなってしまいます。道明寺粉でつくられた、こし餡のものが好きなのですが・・・こういう写真だと、なかなか力強く感じますね。

3月28日の同じ「さくら通り」の様子。
この頃が東京日本橋では満開だったのですね。
今年の桜は満開の時期が短かったようで、見頃を逃してしまった人も多いでしょう。

法政大学多摩キャンパスとその周囲に咲いている桜は、ちょうど今が見頃です。満開の桜を見逃してしまった方は、ぜひ多摩地区へ! きれいな桜をあちこちで見ることができます。





では、2018年度もどうぞよろしくお願いいたします。



2017年9月9日土曜日

「おともだち」の気持ちがわかりました・・・

8日(金)の午後 8時から、東京を放送エリアとしている FM放送局 J-WAVE の “JAM THE WORLD” という番組内の CUTTING EDGE というコーナーで 10分ほどでしたが、太陽フレアについて話をしました。NHK「夏休み子ども電話科学相談」のリスナーの中にも、J-WAVE の番組をお聴きいただいた方がいらっしゃいました。ありがとうございます。

このコーナーでは、ジャーナリストの青木理さんの質問に答える形式で進んでいきます。生放送ではありますが、私は電話で出演するというものです。NHKの「夏休み・・・」も生放送で、スタジオにいる回答者は、電話で結ばれているおともだちに話をしていきます。昨日の J-WAVE の番組は、その逆で、私が電話に向かって話をするのです。

「夏休み・・・」の番組では、私たちは NHKの担当の方が放送中にどのようにおともだちに電話をしているのか、目にすることはありません。スタジオの外に電話機があるためです。マイクからの音とスピーカーの音が重なってしまうと、ハウリングと呼ぶ「キーン」という耳障りな音が発生してしまうため、スタジオ内では電話をかけないのだろうと思います。ときどき、アナウンサーが「ラジオのスイッチを切ってもらえるかな?」と呼びかけているところをお聞きになったことがあるかもしれません。ハウリングを止めるためです。

J-WAVE の担当の方からは「8時 20分ころから始まりますので、電話をお待ちください」と言われたものの、放送のために電話を待つことが初めて(!)の私は、夜8時の放送時間から、すべての音が出るもののスイッチを切って、じっと電話の前で待っておりました。このときの私の気持ちは「子ども・・・」でおともだちが待っている気持ちと同じなのかな、と思いながら、相変わらずじっと待ちます。

無事に電話がかかってきて、青木さんからの太陽フレアについての質問に答え、10分ほどのコーナーは終わりました。スタジオで質問に答えるときとはまったく違う感覚に少々戸惑いましたが、考えていたことはお話しできたかな、と思います。放送の内容は、このブログに書かれていることと重なります。J-WAVEの担当の方も、このブログを目にしたとか。いろいろな方々にお読みいただいているのですね。

「待っている間はラジオをつけていていいんだ」と気がついたのは、私の電話が終わってから。電話がかかってくるタイミングは、ふつうは番組を聴きながら待ちますよね・・・

2016年1月26日火曜日

富士山の見える場所

 今日は静岡へ出かけました。以前、このブログでも紹介した、「サイエンスメンター制度」に応募した高校生のうち、一次審査を通過した人々に直接会って、最終的に採択を決めるため、県内の高等学校へ行きました。

 移動中、電車の窓から富士山を見ることができます。今日見ることができた富士山は、写真のとおりたいへん美しく見えました。雲のかかっていない富士山を見るのは、ずいぶん久しぶりのような気がします。

東海道線から眺めることができる富士山
 法政大学の市ヶ谷キャンパスは、「千代田区富士見」という地名の場所にあります。その名のとおり、富士山を見ることができるわけですが、都心の高層ビルのため、道を歩きながらでは見られません。大学の高層のビルからは、晴れた日であれば遠くに小さく見ることができます。

 さて、私たちが訪問した高等学校は、室温が低いような気がしました。それもそのはず、静岡県内の学校の教室には、暖房設備がないとか。北海道育ちの私には驚きですが、そんな話を帰る道すがら聞きました。皆さん寒くないのでしょうかねぇ。

2016年1月20日水曜日

頼るべきものは…

 先日の交通機関の混乱の中で、スマートフォンの「アプリ」に正しい情報が表示されなかったり、つながらなかったりした事例が少なからずあったとの報道がなされています。

 この情報社会で、大雪や台風などのときにはインターネットを使ってさまざまな情報を入手しようというのはごく当たり前のこと。しかし、そう考える人は自分以外にも大勢いるわけです。情報を発信する交通機関側でアクセスを処理する速度や、現状を把握する能力にも限界があります。

 インターネットのアクセスが集中すると、情報を処理するためのサーバーで処理しきれなくなり、極端に応答が遅くなったり、接続できなくなったりします。例えば大学の合格発表時など、ある程度予想されている場合には、そのときに限ってサーバーの能力を増強して不具合が起きないように対策することも行われているようですが、いつアクセスが集中するかを事前に予想することは難しいものです。そもそも、災害時には情報を送信する方も混乱していて対応できません。大量のアクセスを処理できる能力を常に用意しておくこともできるのでしょうが、それはそれでコストの無駄になります。

 今回の事例は、高度に進んだ情報社会で、本当に必要なときに適切な情報を入手することがいかに難しいか、ということを示しているように思います。仕事を進めていく上でも、さまざまな情報が電子メールを通じて配信され、大量の情報が届きます。これらが自分にとって必要なのか、必要でないかを選別するだけでも時間がかかるほどです。

 さらに、いつでも大量の情報にアクセスできるようになると、その状況に慣れきってしまい、「自ら考える」ということに意識が向かなくなっているのかもしれません。インターネットが使えなくなったらどうするか、何を頼ればいいのか、あるいは頼るべきではないのか、一度よく考えて見る時期に来ているのかもしれません。

2016年1月18日月曜日

首都圏大混乱!

 ♪“雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう” とは、山下達郎の「クリスマス・イブ」の一節ですが、日曜の夜中から降っていた雨は、まさに夜更け過ぎに雪になったようです。ニュースでも報じられているとおり、首都圏はこの積雪で大混乱に陥りました。

 首都圏は鉄道が交通の動脈となっており、朝のラッシュ時には数分おきに電車がやってきます。現在、私は通勤に電車を利用していませんが、かつて地下鉄で通勤していたことがありました。確かにその頃、「よくまあ、こんなに多くの人が乗り込めるものだ」と感心したことを思い出します。

 勤務先の大学は、全日休校措置が取られたため、大学構内は静かです。午後には青空も見え、除雪が進んだ道路はアスファルトが見えています。

多摩キャンパス内の積雪状況
 ところで、昨夜から月曜日は雪になり、交通機関が乱れることを誰もが予測していました。それでも、月曜朝から駅には多くの人が電車を待ち、あるいはバスを待ち、場所によっては駅から人の列がはみ出すほど。多くの人が寒い中で立ち続けました。このような混乱の状況は、かつての首都圏を台風が直撃したときも同様でした。今回も、雪道で転んで病院に搬送された人は 100人以上。これまで私たちが学んだことは「危険を避ける行動をとる」ことだったのではなかったでしょうか。長い距離を駅まで歩いたり、電車で出かけるのは危険かもしれません。

 もしかしたら、こういうときには一斉に、首都圏の企業は基本的に休業、学校は休校、といった措置を取ることが混乱と事故を防ぐ最大の方法なのでしょうが、いかが思われますか。