2016年1月20日水曜日

頼るべきものは…

 先日の交通機関の混乱の中で、スマートフォンの「アプリ」に正しい情報が表示されなかったり、つながらなかったりした事例が少なからずあったとの報道がなされています。

 この情報社会で、大雪や台風などのときにはインターネットを使ってさまざまな情報を入手しようというのはごく当たり前のこと。しかし、そう考える人は自分以外にも大勢いるわけです。情報を発信する交通機関側でアクセスを処理する速度や、現状を把握する能力にも限界があります。

 インターネットのアクセスが集中すると、情報を処理するためのサーバーで処理しきれなくなり、極端に応答が遅くなったり、接続できなくなったりします。例えば大学の合格発表時など、ある程度予想されている場合には、そのときに限ってサーバーの能力を増強して不具合が起きないように対策することも行われているようですが、いつアクセスが集中するかを事前に予想することは難しいものです。そもそも、災害時には情報を送信する方も混乱していて対応できません。大量のアクセスを処理できる能力を常に用意しておくこともできるのでしょうが、それはそれでコストの無駄になります。

 今回の事例は、高度に進んだ情報社会で、本当に必要なときに適切な情報を入手することがいかに難しいか、ということを示しているように思います。仕事を進めていく上でも、さまざまな情報が電子メールを通じて配信され、大量の情報が届きます。これらが自分にとって必要なのか、必要でないかを選別するだけでも時間がかかるほどです。

 さらに、いつでも大量の情報にアクセスできるようになると、その状況に慣れきってしまい、「自ら考える」ということに意識が向かなくなっているのかもしれません。インターネットが使えなくなったらどうするか、何を頼ればいいのか、あるいは頼るべきではないのか、一度よく考えて見る時期に来ているのかもしれません。

0 件のコメント:

コメントを投稿