2016年1月21日木曜日

暑さの記録を更新した2015年

 今日はいろいろなニュースがメディアで取り上げられました。現職閣僚の「政治とカネ」の問題、9番目の惑星の存在が示唆された研究の発表、世界的な株価の下落など、さまざまでしたが、米海洋大気局(NOAA)と米航空宇宙局(NASA)が2015年の地球の気温観測の結果をまとめたニュースも発表されました。

 この報告によると、2015年は観測記録が存在する 1880年以来、もっとも平均気温が高くなったとか。日本は「猛暑」という印象はなかったので意外に感じるかもしれませんが、エルニーニョの発生・継続によって高い温度になり、地球全体の年平均気温は1901年から 2000年の平均気温より 0.90℃ 高いものとなりました。

1901年から2000年の平均気温からの差を示したグラフ(C) NCEI/NESDIS/NOAA

1901年から2000年の平均気温と2015年の平均気温の差を示したマップ。世界的に平均気温が高く、2015年は記録的な年であったことがわかる (C) NOAA/NASA

 地球環境の変化の原因を探ることは、実はかなり難しい問題です。人間の産業活動による要因が大きいのか、あるいは地球そのものの性質であるのか、多くの研究者が解明を進めています。ただ、産業革命以降の温度上昇は、それまでの地球環境が経験したことのないものだった、ということです。

 気温の変動が人間の活動によるものであれば、その対策を急がなければなりません。それは、地球の温度の変化する時間スケールは、人間が環境に変化を与える時間スケールより長く、今すぐに産業によって大気中に排出される二酸化炭素などの「地球温暖化ガス」をゼロにしても、気温の上昇が止まるのは何年も後のことと考えられるためです。

 「取り返しのつかないことになる前に、なんらかの対策を取らなければならない」と考えているのが、世界的な趨勢です。ただ、この話は純粋な科学の話ではなく、さまざまな国の政治・経済的な状況が絡んでいるため、なかなか話がまとまらない、というのが現実のようですが…

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