2020年3月11日水曜日

エボラウイルスと人間社会との戦い

今月の Nature ダイジェストの Nature Video 活用事例には、「エボラウイルスと人類社会との戦い」というタイトルの記事が公開されています。ぜひ、上記の記事もお読みください。

エボラウイルスはエボラ出血熱という感染症を引き起こすウイルスです。コロナウイルスのように世界中に広がっているわけではありませんが、アフリカ中央部や西部の国々で発生し、2014年に大流行が発生したほか、2018年からの大流行が現在も引き続いており、世界保健機関(WHO)はコンゴ民主共和国の流行地域を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に指定しています(2020年3月11日現在)。

今回の記事は、私たちの社会で感染症の流行を抑え込むことがいかに難しいか、ということが記されています。そのことが記事のタイトルに「人間社会」とした意味です。世界のそれぞれの地域で、さまざまな感染症が発生します。ある状況では感染症は克服されますが、うまく制圧できない場合もあります。その原因はさまざまで、地域の風習や文化が感染を助長させる原因になることもありますし、あるいは住民の感染症予防への理解の度合いも、成果を左右する要因です。政情が不安定であれば、地域へのルールの徹底が難しくなるとともに、住民にストレスが加わり健康状態も悪化します。このように、感染症の制圧がうまくいくかどうかはさまざまな要因が複雑に絡み合っているのです。

また、支援の手を差し伸べることができるか、さまざまな情報をスムーズに交換できるかなど、周辺各国やその他の国々との関わりも重要です。

国境を越えて自由に人々が行き来する時代では、ある国の感染症が決して対岸の火事ではなく、やがて自分の国の問題になりうるという意識をもって対処しなければならないことは、感染症が発生するたびに教訓となってきたはずなのですが…


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