2020年3月9日月曜日

ニトリルゴムってなに?

食品製造の現場や、ちょっとした土いじり、掃除のときなどに使われる「ニトリル手袋」。食器洗いなどのとき、冬は空気が乾燥していることに加えて、洗剤と温かいお湯で手指の皮脂が取られてしまい、手が荒れやすくなります。こんなときに便利なニトリル手袋ですが、「ニトリル」ってなんだろうと思ったことはありますか? 実は数ヶ月前から気にはなっていたのですが、きちんと調べないまま、今日に至りました…

ニトリルはきっと、窒素(nitrogen)に関係しているのだろうなぁ、と思ってはいたのですが、化学の教科書を見て、そういえば学校で習ったなぁと当時を思い出しました。

ニトリルとは、窒素(N)と三重結合した炭素(C)に、炭化水素からできた側鎖(R)が結びついた化合物の総称です。構造式で示すと、こうなります。

N ≡ C − R

炭素には手が4本あると考えればよいでしょうか。そのうち3本が窒素と結びついている状態です。ニトリル手袋は一般に、「アクリロニトリル」と「1, 3- ブタジエン」という物質を結びつけてつくられる「ニトリルゴム」でつくられています。

薄手のゴム手袋といえば、天然ゴムでつくられた「ラテックス手袋」もありますが、こちらは天然ゴムに含まれている微量のタンパク質がアレルギー反応(ラテックスアレルギー)を起こすことがあります。ニトリルゴムは人工合成物なので、このようなタンパク質が入っていることはない(ただし、製造時の添加物によってアレルギー反応が起こることは否定できない)こともあり、広く使われています。

いろいろな化学物質には、規則に基づいて名前が付けられています。機会があれば、ほかの名前もご紹介できるかもしれません。教科書を開かないと自信をもって書けないのですが…



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