2018年5月11日金曜日

科学ジャーナリスト賞2018

日本科学技術ジャーナリスト会議が科学技術に関する報道や出版、映像などで優れた成果をあげた人を表彰する、「科学ジャーナリスト賞」の今年の受賞者が先日、発表されました。

今年の科学ジャーナリスト大賞は、信濃毎日新聞社編集局 「つながりなおす」取材班(代表 小松恵永氏)「つながりなおす 依存症社会」(2017/1/3〜6/29)の連載に対して、薬物やギャンブル、アルコールなど様々な依存症に蝕まれる現代社会を幅広い取材に基づき多面的に捉えた秀逸なキャンペーン報道であることが評価され、贈呈されました。

科学ジャーナリスト賞は3件となりました。

1件目は、ドキュメンタリー映画監督・プロデユーサー 佐々木芽生氏「おクジラさま ふたつの正義の物語」(集英社)の著作に対して、クジラやイルカ漁への国際的な批判に対し、関係者への直接的な取材に基づき、異なる文化に立脚する多様な視点を提供した点が評価されました。

2件目は、川端裕人氏「我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な『人類』たち」(講談社)の著作に対して、次々と新発見が続くアジアの多様な原人について、化石発掘現場などを丹念に取材し人類進化の謎を紹介し、知的な興奮を呼ぶ好著であることが評価されました。

3件目は、日本放送協会報道局 政経・国際番組部 ディレクター 安部康之氏らによるクローズアップ現代+「中国“再エネ”が日本を飲み込む!?」の番組に対して、再生可能エネルギーの大量導入を進める中国の動向を紹介し、立ち遅れた日本の状況を浮き彫りにしたこと、またインパクトが大きく日本のエネルギー政策を考える材料を提供したことが評価されました。

今年は、神奈川県逗子市の住宅地にある手作りの科学館である「理科ハウス」館長の森裕美子氏に特別賞が贈呈されました。「身近な科学館」を目指した設立趣旨と地域コミュニティから親しまれている活動ぶりが総合的に評価されたものです。

2006年から毎年発表されている科学ジャーナリスト賞ですが、過去の受賞作はこちらのページからご覧いただけます。

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