「海のミルク」とも呼ばれる牡蠣(カキ)。牡蠣は海で生きる貝類の一種ですが、その牡蠣にかつては考えられなかった脅威が迫っていることが、最近の研究で明らかになりました。
牡蠣などの二枚貝は、海水を大量に吸い込み、からだの中のフィルターのようなもので水中のプランクトンをこし取って栄養を得ています。新たな脅威とは、プラスチック。牡蠣が好むプランクトンとほぼ同じ大きさの、小さなプラスチックが海中に大量に存在しており、そのようなプランクトンを吸い込んでしまうと牡蠣は繁殖能力が落ちてしまうということが明らかになりました。
海に捨てられたプラスチックは、海の中でどんどん小さく壊れていき、やがてマイクロプラスチックと呼ばれる6μm(0.006 mm)という極めて小さな破片になります。このマイクロプラスチックは、牡蠣の腸にたどり着き、栄養分を吸収させにくくしてしまうのです。
このような海中のマイクロプラスチックは、ムール貝やナマコなどにも影響を与えているのではないかと心配されています。このままだと、海の生物の生態系に大きな影響を与え、私たちの食糧としての海産物を確保できなくなる可能性もあります。
一般的なプラスチックは自然界で分解されることはありません。このようなプラスチックの廃棄処分が自然環境に対する影響を最小限に抑えるため、さまざまな対策が必要です。
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