2016年2月1日月曜日

ジカウイルス

 海外のニュースサイトでは、ジカウイルス(Zika virus)が話題になっています。このウイルスは 1947年に確認され、長くアフリカと東南アジアで発生するものと考えられてきました。しかし、医科学的に記述された論文が少なかったこともあり、広く認識されていた伝染病とは言えなかったようです。

 2007年には西太平洋のヤップ島で大流行が発生しました。ヤップ島を含む近辺の島を訪れていた多くの旅行者が、その後ブラジルに上陸したことで急速に南アメリカ、中央アメリカ、メキシコ、さらにカリブ諸島へと感染が広がったことがわかっています。

 それほど大流行した理由はいくつか挙げられます。多くの人々がこのジカウイルスに免疫をもっていないため、感染するとそのまま発症してしまうこと、またジカウイルスを運ぶ蚊の生活圏は数百メートルの範囲内でしかありませんが、自動車や列車、飛行機などによって遠くまで運ばれていくことが指摘されています。

 症状は発疹や筋肉痛、関節痛のほか、発熱が数日続き、ほとんどは自然治癒するものですが、感染した妊婦から小頭症の子が生まれたことが数例確認されたため、大きなニュースになっています。しかし、ジカウイルスと小頭症との関係はまだよくわかっていません。

 日本で大流行するという可能性は、今のところは脅威となっていませんが、東京を中心にデング熱が発生したこともありました。デング熱もジカウイルスと同様に、蚊が媒介する病気です。必要以上に心配する必要はありませんが、家の周りに不必要な水の溜まり場をつくらないとか、蚊がいそうなところへは長袖・長ズボンで出かけるなどの配慮が必要になのでしょう。

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