2015年8月30日日曜日

大きな結晶をつくろう!

 NHK子ども科学電話相談での質問に、「大きな結晶をつくるには、どうしたらいいか」というものがありました。これはすでに番組でお答えしたものですが、もっと詳しく知りたい、というメールが私のところに届きましたので、お答えしましょう。

 結晶とは、まじりけのない純粋な物質だけでできていて、例えば食塩(塩化ナトリウム)であれば立方体の結晶ができます。この結晶は、条件を整えれば、大きくすることができます。その方法についての質問だったわけです。食塩の結晶を大きく「育てる」方法を紹介しましょう。

 まず、「種」になる結晶をつくります。食塩をできるだけたくさん溶かします。食塩は100℃ の水 100 ml に 28 g までしか溶けることができませんので、これくらい溶かしましょう。耐熱ガラスのコップがあれば便利ですが、できるだけかき混ぜやすい容器でもいいでしょう。熱湯に気をつけて、よくかき混ぜます。溶かしきったら、そのまま一日ほど、静かなところに置いておきます。そうすると、容器の底にきらきら光る結晶が出てきます。これらの結晶のなかから、できるだけ透明な、整った形の大きな結晶をいくつか取り出しておきます。

 種の結晶を、細い糸(細いナイロン糸など)でしばっておきます。

 ● 次に、種結晶をつくった容器の食塩水にさらに食塩を足して、よく混ぜます。容器の底に少し溶け残るまで、食塩を足します。このうわずみ液を、別の容器に移しましょう。このときの別の容器には、ほこりなどが付いていないものを使います。容器をよく洗い、ふきんなどで拭かずに、逆さまにして乾燥させておいたものがいいでしょう。

 別の容器に入れたうわずみ液に、種を割りばしなどに吊るして入れます。容器の底についたり、容器に種がくっつかないように注意します。温度がゆっくりと下がっていくように、タオルなどで容器をくるんだり、発泡スチロールのケースの中などに入れましょう。さらに、容器の中にほこりなどが入らないように、紙などでふたをしておきます。

 こうすると、少しづつ種が大きくなっていきます。結晶が大きくなってきたら、結晶を取り出し、● の部分をくり返していくことで、さらに大きな結晶が育っていくでしょう。

 熱湯を扱うときにはやけどをしないように、容器を割ってけがをしないように、くれぐれも気をつけて実験してください。
 

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