2015年8月27日木曜日

人間が天気を変えることはできるのか?

 NHK夏休み子ども科学電話相談も、今週の金曜日で今年の放送は終わります。私の担当する「科学一般」に寄せられた、たくさんの質問すべてに答えることはできません。疑問の数が多くあるのは、それだけ子どもたちに考える機会があるということ。自分で一生懸命考えたり、実験してみたり、夏休みが終わってからも楽しめるといいですね。

 この夏、私に届いた最後の質問は、こんな質問でした。「台風を人間が消すことはできますか」。住んでいるところを確認すると、確かに今年の初夏から大雨が降ったり、台風の進路に当たったりした地域のお子さんでした。もしかしたら強い雨や風で怖い思いをしてしまったのかもしれません。被害にあったり、怪我などしていなければいいのですが。放送時間の都合で、番組で取り上げることができませんでした。

 残念ながら現在の科学技術では、人間が台風を消してしまったり、進路を変えたりすることはできません。このような気象現象(天気)を人工的に変えるための研究は行われているのですが、自由自在に天気を変えるほど、研究が進んでいるわけではありません。

 それでも、雲があれば、人工的に雨を降らせることはできます。雲にドライアイスの粒を蒔くのです。そうするとドライアイスを中心にして、雨のもとになる氷が大きくなっていき、やがて地上に雨となって落ちてきます。しかし、このようにして降らせることができる雨も、ほんのわずか。水不足の地域に豊かな水をもたらすようなことはできません。

 この地球上では、どこかで大雨が降れば、また別のところでは水不足になっていたりします。人間が暮らしやすくなることは誰もが望むことですが、まだまだ人間の力ではどうにもならないことがたくさんあるのです。

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