皆さんはサイエンスフィクション(SF)小説は読まれるでしょうか。SF映画は見るけれど、小説は読まないな、という方もおられるでしょう。SF小説と一口に言っても、かなり幅広い分野があるとか。有名なところでは、ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』やハーバート・ジョージ・ウェルズの『タイム・マシン』などが古典としてあげられますが、これらの作品は今なお、多くの読者を引きつけています。
日本にも古典作品でSFがあります。それは『竹取物語』。これは成立年・作者ともに不詳という、そのものがミステリアスなものでもありますが、平安時代の初期にはすでに存在していたとか。空想力は人類のみがもっているとも言われますので、もしかすると日本にももっと古い作品が記録されないままに存在していたのかもしれません。
このSF作品を授業で活用できないかという研究を進めています。どこがフィクションで、どこがノンフィクションなのかを区別することができるような能力は、難しい言葉でいえば「科学リテラシー」の醸成には必要です。
現代では、科学的に説明できないことを、いかにも科学的に実験あるいは証明したかのように語り、それを商品と結びつけるビジネスが存在します。健康食品や家電製品でも、「これって科学的なのかな」と思ってしまうような広告が存在しています。このような商法で販売されているものを、疑う余地もなく購入する人が後を絶ちません。科学的なのかどうかを判断するとき、科学そのものを知っていれば問題ないのでしょうが、みんながそういう知識をもっているわけではありません。せめてSF作品を読んで、「ここはフィクションなんだな」ときちんと判別できるような能力は必要かな、と思います。
そんなことを考えながら、なにかよい方法はないかと考えていますが、「SF小説を読みながら現実世界も考える」というのは、なんとなく味気ない気がするのも正直なところ。似非科学には引っかからないように、くれぐれもご注意を。
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