2015年7月2日木曜日

首都圏外郭放水路

 昨日、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」を見学しました。これは、埼玉県の江戸川と中川、大落古利根川にはさまれた低平地の洪水を防止するための設備です。この領域を流れる中川、倉松川、幸松川、大落古利根川の水量が増えたとき、その水を江戸川へと流します。

 国道16号の地下約50メートルに建設されており、延長は6.3キロメートルもある、世界最大級の地下水路。施設は、各河川から洪水を取り入れる流入施設、地下で貯水したり、流下する地下水路、そして地下水路から洪水を排出する排水機場などで構成されています。

 調圧水槽と呼ばれている巨大な水槽があり、ここから江戸川に放水されていきます。見学ではこの調圧水槽(写真)に入ることができます。幅 78メートル、長さ 177メートルという広さで、高さは18メートルもあります。ここは巨大な柱で支えられていて、さながら神殿のようだともいわれます。

調圧水槽内部のようす


 地下にこのような巨大な空洞を造ると、さらに下を流れる地下水によって空洞自体が押し上げられるとか。物理でいう浮力のはたらきです。そのため、写真のような大きな柱を立て、水槽の床面が浮き上がらないように支えているとか。

 洪水に悩まされていた地域が、この地下水路によって災害から逃れることができるようになりました。日本の急激に都市化が進む地域で、森林が破壊され、保水力が失われている地域があり、その治水対策が課題となっています。いかにして洪水を防ぐか、さまざまな方法が研究されています。

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