2015年6月4日木曜日

MERS

 韓国でMERSの感染が拡大しています。MERSとは、Middle East Respiratory Syndrome (中東呼吸器症候群)の頭文字をとったものです。感染症自体の詳細は国立感染症研究所から情報が提供されています。

 6月8日(月)から11日(木)まで、韓国ソウル市で科学ジャーナリスト世界大会が開催される予定で、各国から科学ジャーナリストが集まります。主催団体は速報を発信し、感染者はきちんと抑え込まれており、国内の移動制限などは発令されておらず、現状では必要以上に恐れることはない、と発表しました。しかし、ニュースでは「感染拡大」などという文字が大きく示され、不安を増大させます。

 このような事態になると、(たとえ科学ジャーナリストでも)出席を取りやめようかどうかを考える人も出てくるでしょう。さて、あなたならどうしますか。

 このような場合は、まず正しい情報を入手することが先決です。一般に、このような感染症の場合は WHO(世界保健機関)が情報を発信します。日本国内では、最初に示した国立感染症研究所や、厚生労働省が情報を発表します。そしてどのような行動をすれば感染する可能性が高くなるかを考え、自分がそのような行動をとる可能性があるかを考えます。

 今回のMERSでは、ヒトからヒトへの感染は感染者が入院している病院などの極めて限られた範囲で起こることが知られています。また、万一感染してしまった場合、呼吸器に持病のある人や、重症の糖尿病の人が重症化することもわかっています。

 そうなると、まずは病院に近づかない、という対策をとることができます。当然ですが、マスクをするとかトイレから出たら手を洗うなど、一般的な風邪予防の対策をとることで感染の可能性を減らすことができます。

 もし、現在あなたの体調が悪く、喘息発作を起こす体質であったりした場合は、慎重に考えたほうがいいかもしれません。それは、本人が体調を考えて判断する、ということになります。

 さまざまな立場の人、さまざまな健康状態の人がいて、判断基準もさまざまです。どのように判断したとしても、その人の判断は尊重されるべき。単純に一つの物差しだけで判断できる問題ではないのです。日本にも感染者が入国する場合があるかもしれません。皆さんそれぞれの判断で行動しなければならないとき、冷静に考えることが何よりも大切です。

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