2015年6月6日土曜日

重力波って、なに?

 重力波とはなんでしょうか。ときどき、ニュースに出てきますし、新聞の下部に出てくる書籍の広告に、この言葉を見かけることもあるでしょう。高校物理には出てきません。科学の発展によって社会に出てきた言葉です。

 アインシュタインは皆さんもご存知でしょう。相対性理論を考え出した物理学者です。この相対性理論は、重力について説明する理論ですが、この中で重力波という言葉が現れます。相対性理論は、質量をもった物質が存在すると時空が歪むことを示しています。時空とは、「時間と空間は一体である」と考えるものです。

 私たちがすむ地球上での物理法則は、この宇宙ではたらいている物理法則です。ということは、私たちのまわりでも、時空が歪んでいるわけです。しかし、その歪み度合いはあまりにも小さいので、歪みを検知することができません。

 もし物体が動いていると、この歪みは光の速さで波として伝わっていきます。この「光の速さで伝わる時空の歪み」が、重力波です。検出できるほどの重力波を発生するためには、非常に大きな質量をもった物体が激しく動いている必要があります。そんな状況は地球上にはありませんが、宇宙にはあります。例えば、非常に大きな質量の中性子星と呼ばれる天体どうしが衝突すると、検出できるほどの重力波が発生すると考えられています。

 重力波を検出するための試みが、日本でも行われようとしています。その施設が、岐阜県飛騨市神岡町に建設中の KAGRA(かぐら)です。このような重力波を検出するための装置は、アメリカに2機、ヨーロッパに1機あります。これらの機器は、国際的に相互にデータを交換できるよう、得られたデータのフォーマットが統一されているようです。科学の面でも、国際協力が不可欠になっているのです。

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