2015年5月26日火曜日

日本の曲がり角

 今、日本は曲がり角に来ているのだと思います。それは、今日から国会で審議が始まった、安全保障関連法案に関係するものです。皆さんはどのように考えておられますか。

 「平和をただ願うだけに終わってはならない。果敢に行動していかなければなりません」と国会で述べた安部晋三総理大臣。「果敢に行動」という意味は、法に基づく自衛隊海外派遣などの軍事的オプションを持つことによって、平和を願うべきなのだ、ということでしょう。

 私は、この議論はあまりに飛躍していると思います。歴史的に日本は複数の戦争を経験し、さらにその中で広島・長崎は原爆の惨禍に見舞われました。さらに、第五福竜丸はビキニ環礁での米軍の水爆実験による死の灰を浴び、被爆しました。私たち日本人は、戦争の恐ろしさや平和の尊さを、世界中に伝えるべき存在と思います。

 「平和をただ願うだけに終わってはならない」と述べられていますが、それではこれまでの政治家は、国内で、また海外で、「戦争は決して行ってはならない」「平和はかけがえのないものだ」ということを、積極的に、機会あるごとに、広く伝えてきた努力をしてきたといえるでしょうか。まずは憲法に示されている「平和主義」を、積極的に諸外国に広めることが先なのではないのかな、と思います。そのような活動を行わないまま、軍事的オプションを導入するための法整備を進めることは憲法の精神に反していると考えます。

 「平和を手に入れるより、戦争を始める方がはるかに易しい」とフランスの元首相・ジャーナリストであったジョルジュ・クレマンソーは言いました。議論になっている安全保障関連法が整備されてすぐ、日本が戦争を始めるとは思いませんが、諸外国には日本の姿はどのように映るでしょう。クレマンソーが「難しい」と言った平和を手に入れた日本が行うべきことは、「平和をただ願うだけに終わってはならない。この平和を希求する憲法を世界に広めていかなければなりません」ということだと思うのですが。

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