2015年5月18日月曜日

日常からの発見

 毎週月曜日は、大妻女子大学で「日常生活の数概念」という授業の非常勤講師を勤めています。この授業は、算数・数学の嫌いな女子学生のために、日常的な活動の中から数にまつわる話を取り上げ、机の上の学習だけでなく、身体を使って体験して、数学アレルギーなるものを取り去ることが最終的な目標です。

 今日は「歩測」を体験しました。あらかじめ自分の一歩の長さがどれくらいかを測っておき、何歩歩いたかを数えればおおよその距離を計測できます。このような方法で距離を測ることを、歩測といいます。江戸時代に伊能忠敬は、この歩測を使って正確な日本地図を作り上げました。現代でも、地質学などではこのような方法を使って、地層の状況などを調べます。

 実際に大学の周辺を歩き、歩数を数えて記録しています。もちろん、この実習は、その方法を学ぶことが重要ですが、自分が歩いている周辺にも、ふだんは気がつかないようないろいろなことがあるということに気づいても欲しいと思っています。駅から大学までの道のりは、ともすれば「大学に行くため」あるいは「家に帰るため」だけに歩いているものです。

 でも、少し注意して見渡してみれば、意外なところに花が咲いていたり、気がつかなかった看板があったり、見覚えのない小路があったりと、たくさんの発見があるかもしれません。そういうことに気がついて、自分たちがどれだけ多くの「環境」に囲まれているかを認識して欲しいのです。

 かくいう私も気が付きませんでしたが、大妻女子大学から靖国神社に向かって 50メートルほど歩いたところに、スカイツリーが見える場所があることを、学生が教えてくれました。それから、コインパーキングの料金表示は各パーキングによって「15分で☆☆円」「20分で◯◯円」「30分で△△円」などというように、すぐには比較しづらいような表示になっていることにも気が付きました。これは、特定のパーキングに集中しないような経営上の戦略でしょうか。よく考えられているものです。

 さて、皆さんはどんな発見ができたでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿