大学構内を散歩する人が、よく足を止めてスマートフォンなどで写真を撮っています。何を見ているのだろうと、その場所に行ってみると、きれいな紫色の小さな花が咲いていました。毎年見かけていましたが、この花の咲く時期が例年に比べて早いのか遅いのか、私の記憶はあいまいですが。
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研究・実験棟前に咲く花 |
たぶん、スミレなのだろうと思います。スミレの仲間は種類が多く、よく見られるものでも10種ほどあるそうです。残念ながら、私にはこの植物がなんという名前なのか、正確にはわかりません…
植物の名前はカタカナで表記しますが、これは戦後の学問的なルールです。戦後になって日本語がひらがなと漢字で表記されるようになり、植物や動物の名前を明確に区別しやすくするため、カタカナで示すようになりました。
スミレとは、スミレ科スミレ属に分類される植物の総称なのですが、その中に「スミレ」という特定の種があります。この種の学名は Viola mandshurica とつけられています。学名というのは、1つの種に1つだけつけられた、学問的な名前です。私たち人間の学名をHomo sapiens というのは、皆さんもよくご存知のことと思います。
スミレにつけられた Viola は、ラテン語で「紫がかった」という意味で、花の色の特徴をよく示しています。その後についている mandshurica(マンジュリカ)とは、「満州の」という意味だそうです。日本だけでなく、中国や朝鮮半島などにも広く分布する植物だとか。
「名は体を表す」という言葉がありますが、生物の名前を知り、どうしてそういう名前になったのかを考えることも、楽しいのではないでしょうか。
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