2015年4月24日金曜日

「研究」って、なんだろう?

 私の演習(ゼミナール)では、所属する学生たち(大学では彼らを「ゼミ生」といいます)はそれぞれの研究テーマをもって、個人研究を進めることにしています。共同研究という方法もありますが、個人研究のほうが自らの興味や関心に沿って、積極的に進めることができるだろうと考えるためです。もちろん、演習の授業時間にはゼミ生全体で取り組む課題も用意しています。科学ジャーナリズムのゼミですから、文章の書き方や写真の撮影の仕方、動画の撮影や編集などは全員が学びます。

 個人研究を進めていくためには、ゼミ生それぞれの進捗具合を私が把握しておかなければなりません。それを演習の時間に個別に聞くよりは、別に時間をとって面談したほうが効率的だということで、私のゼミ生は 2〜3週間に一度、30分ほど私と面談しなければなりません。

 ゼミへの配属は 2年生からですので、この時期は初めての面談を行っているところです。個人研究を進める上で、不安に思うこともあるようです。そもそも、本格的に「研究」と言われると、何をどうしていいのかわからない、という学生もいるようです。

 研究の動機は、私たちのような職業研究者でも、興味や関心です。まずは「これは何だろう」とか「なぜだろう」のような「調べてみたいと思う対象」を見つけることから始まります。そこから自分なりの仮説や仮定を立てて、これまでに発表された論文や書籍から知識を得て、自分の仮説・仮定の真偽を確かめていくのです。研究とはこの繰り返し。

 ゼミ生が研究上で見失ってしまったり、立ち止まってしまった場合には、面談の時に私がサポートします。ゼミ生の自由な発想や着眼点は、たとえ学生であっても研究者として尊重され、守られなければなりません。ゼミ生には安心して、のびのびと研究を進めて、その醍醐味を知ってほしいと思います。

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