先日、遠方に iPad を送らなければならない状況になり、郵便局の「レターパック」を使いました。「レターパック510」というサービスであれば、ちょうど入る大きさです。このサービスでは、遠方であれば航空便を利用して配送されるようです。
ところが、航空便で送付できないものがあることを知りました。リチウムイオン電池は、一定の条件を満たさなければ航空便として送付することができないとのこと。条件を満たさなければ、陸送扱いとなり、配送までに時間を要することになります。
現在、リチウムイオン電池はさまざまな電気機器に組み込まれています。充電することができる機能をもったものには、ほとんどの製品に使われると考えてよいでしょう。充電可能な iPad にも、もちろん内蔵されています。航空便で送付することのできる「一定の条件」とは、日本郵便では次のように定められています。
- 日本郵便株式会社が顧客からの申出に基づき引受の要件に合致していることを確認し、
- ラベルの「品名」欄へ具体的品名を記入し、
- 「リチウム電池取扱ラベル」に所定の記載を行った上、貼り付けた状態で差し出したもの。
引受の要件に合致しているかどうかは、差出人がメーカーに問い合わせる、あるいは取扱説明書を読むなどして、どれほどの電力量を有するか、などの規格を確認しなければなりません。
なぜ、リチウムイオン電池を航空便として輸送できないのでしょうか。それは、リチウムイオン電池は通常であれば安全なのですが、破損したり過熱したりすると発火し、火災の原因となる可能性があるためとのことです。危険を避けるための規制ということで、利用者にとっては不便に感じることもありますが、大量に電気機器を輸送する貨物便の航空機では、さらにリスクが高まることもあるのでしょう。
大容量で繰り返し充電できるという利便性と引き換えに、万一の事故の際には大きな被害を与えてしまうという生活は、リチウムイオン電池に限らず、いろいろな科学技術を利用した製品にはつきものです。この程度の不便は我慢しなければならないのかもしれません。
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