2015年4月18日土曜日

春眠暁を覚えず

 最近、とても眠い・・・ 別に夜更かししているわけでもないのに、朝起きるのがかなり大変。まるでどこかの学生のよう。「春眠暁を覚えず」とよく聞くこの季節ですが、そんな言葉で片付けることができるのなら、苦労はしません。

 さて、「春眠暁を覚えず」は孟浩然(もうこうねん)の詩「春暁」の一節です。高等学校の漢文の時間に学んだ人も多いはず。全文は、


   春眠不覚暁

   処処聞啼鳥
   夜来風雨声
   花落知多少

となっていて、漢字五文字が四行で構成されている五言絶句の形です。どういう意味かというと、井伏鱒二『厄除け詩集』に示された日本語訳がよく知られています。カタカナと漢字で表現されていますので、ひらがなと漢字を使って紹介すると、


   春の寝覚めの うつつで聞けば

   鳥の鳴く音で 目が覚めました
   夜の嵐に 雨混じり
   散った木の花 いかほどばかり

という訳になります。訳詞でおわかりのとおり、春は寝覚めが遅くなり、鳥が鳴くほど明るくなってから目が覚めた、ということで、「春眠暁を覚えず」という言葉は、昼間の眠気に使う言葉ではありません。


 ところで、「春眠暁を覚えず」は本当なのでしょうか。冬から春にかけて日の出の時刻が早くなりますが、一方で人間の睡眠リズムがその変化についていけない、ということが起こります。そんなわけで、この時期は外は明るくなっているのに、まだまだ眠いというわけです。

 すがすがしい目覚めを望むのであれば、カーテンを開けて朝になったときの日差しを感じられるような環境にするとよいとか。日光を感じることで、体内では活動的に向けた準備が行われ、心地よい目覚めに結びつくとか。

 毎朝心地よく起きることができるように、カーテンは全開で眠っているのですが、私の目覚めは一向に良くなりません…

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