2012年6月29日金曜日

惑星の発見

冥王星はアメリカ人が発見した惑星であることを、前回書きました。では、ほかの惑星はどうなのでしょうか。

水星・金星・火星・木星・土星の存在は、古くから知られていて、誰が発見したというような記録は残っていません。しかし、天王星と海王星は、かつては恒星として記録されており、惑星と認識されるようになったのは比較的最近です。

天王星は、1781年にイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルが発見しました。当時ハーシェルはこの星を彗星であると考えていたようです。しかし、この星を彗星であると考えた場合、計算された軌道が実際の観測と一致しませんでした。アンデル・レクセルが軌道を再研鑽したところ、惑星のような円軌道を仮定すると、観測結果に一致することを発見しました。

天王星 (C) NASA
今では、この天王星には土星と同じようにリングがあり、多くの衛星(29個)を従えていることが明らかになっています。

残る海王星はどうでしょう。天王星が発見された後、その運動の様子を詳細に観測すると、本来考えられる運動のほかに、わずかに揺れているように見える(これを天文学では摂動といいます)ことがわかりました。摂動の原因は、その近辺にほかに大きな重力をもった天体が存在するためです。天王星の周囲には、ほかに大きな星があるはずだと考えた天文学者たちは、どのような軌道をもった天体であれば天王星に摂動を与えるかを計算しました。

その結果、計算された軌道に新たに発見された天体があることが明らかになり、これが海王星だったわけです。フランスではユルバン・ルヴェリエが新天体の予測軌道を計算し、ドイツのヨハン・ゴットフリート・ガレが実際にその天体を発見しました。一方、イギリスではジョン・クーチ・アダムズが新天体の軌道を計算していました。

これら3人の研究によって発見された海王星ですが、「発見者争い」が勃発し、アダムズはルヴェリエに発見者の座を譲ったと伝えられています。現在は、この3人が海王星の発見者であるとして、それぞれの栄誉を称えています。

海王星 (C) NASA
天王星も海王星も、それらの表面は青っぽく観測されます。これは、惑星の大気に含まれるメタンのため。メタンは赤い光を吸収してしまうため、その影響で青く見えると考えられています。

天王星・海王星・冥王星には、それぞれの発見にドラマがあります。残念ながら、日本人は惑星の発見には貢献できませんでしたが、それ以外の星の研究や発見には、多くの実績をあげているのです。そのことはまた今度、お知らせしましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿