2022年6月4日土曜日

宇宙ゴミ ―スペース・デブリ―

宇宙ゴミに関心がある学生さんも、少なからずいるようです。

宇宙ゴミ(スペース・デブリともいいます)は、人間が打ち上げたロケットの部品や、役目を終えた人工衛星がそのまま地球の衛星軌道上に漂っているものです。宇宙飛行士がうっかり落としてしまった工具や手袋などまであるそうです。

この宇宙ゴミがどれだけあるかを NASA が発表しています。以下の図は、NASAで確認している直径が 10 cm を超える宇宙ゴミを白い点で示しています。


直径 10 cm 以上の宇宙ゴミ ©︎NASA


これらの白い点が宇宙ゴミです。「こんなにたくさん…!」と思うかもしれませんが、さらに遠方まで広がっています。宇宙に打ち上げられた人工衛星やロケットの切り離した部品は、回収されてこなかったため、こんなにあるのです。

この宇宙ゴミは、現在活動している人工衛星や宇宙ステーションに衝突することもあります。わずかな凹みなどで終わればいいのですが、加速した宇宙ゴミは凶器と同じです。人工衛星を破壊してしまうことも考えられます。 2011年6月28日には、国際宇宙ステーションに宇宙ゴミが接近し、乗員が避難した騒ぎもありました。また、2009年には、アメリカの衛星携帯電話会社 Iridium Satellite 社の通信衛星 “Iridium 33”と、すでに役目を終えて宇宙ゴミとなっていたロシアの軍事衛星 “Cosmos 2251” が衝突し破壊され、さらに700個近い新たな宇宙ゴミをつくり出してしまいました。

現在とられている対策は、ロケットの打ち上げ時には破片が出ないような設計をする、あるいは役目を終えた人工衛星は地球の大気圏に再突入させてしまう、などのほか、宇宙ゴミを回収する人工衛星の開発が進められていますが、まだ有効な手段は明確になっていません。

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