今日の物理学の授業は先週の受講者数を考慮して、大きな講義室に移動したものの、なぜか先週をさらに上回る受講者が集まり、再び立ち見の学生が… 来週は、最大規模の教室(102室)で行います。もうこれ以上、大きな教室はありません。来週の木曜3限の物理学は、102室へどうぞ。
この授業で、地球環境について講義をしました。その中で、恐竜絶滅を引き起こした隕石の衝突の話をしました。
今から6550万年前、地球に隕石が衝突し、そのときにの衝撃で巻き上げられた大量の塵が太陽光を遮り、地上の多くの生物が絶滅したと考えられています。
この隕石が衝突したときの塵は、現在は地層の中に記録されています。この層を「K-T境界」といいます。Kは白亜紀(中生代)を示すドイツ語の頭文字、Tは第三紀(新生代)を示す英語の頭文字です。
K-T境界の地層には、地球には非常に少ない「イリジウム」という元素が多く含まれています。地球には少なくても、宇宙空間の隕石などには比較的多く含まれていいるため、隕石が衝突したのだと考えられます。ただし、恐竜絶滅については、これが唯一の学説ではありません。火山の大噴火によって、噴煙が上空に舞い上がり、同じように太陽光が遮られた、という考え方もあります。この場合、K-T境界のイリジウムが多いのは、このとき地球の地下深いところから噴出したもの、と説明されます。
このイリジウム、地球上では南アフリカ共和国で鉱石として産出されます。イリジウムは耐熱性があり、自動車のエンジン点火プラグに使われるほか、摩耗に強く、硬いために、高級万年筆のペン先にも使われるとか。最近話題のレアメタル(希少金属)の一つで、安定的な供給が望まれている資源です。
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