研究者が研究した成果は、論文として発表されて正式なものとなります。
この論文は研究者自身が執筆し、学会などに掲載を申請し、受理されれば学会誌に掲載されます。受理された論文がが開始に掲載される時には、その学会誌で定められたルールに則って書かれているか、スペルミスはないか、さらには見た目が「美しく」なっているか、ということを確認して、出版されます。これらの作業を、「テクニカルエディット」といいます。
私の所属している学会が発行している学会誌のテクニカルエディットを行っています。理系の学会誌ですので、方程式が多く出てきます。これらの方程式は、定められたところに空白がきちんと入っているか、物理記号や変数を示す記号の立体(ローマン)と斜体(イタリック)は正しく区別されているか、なども確認します。
著者も人間なので、時には思いもよらない間違いをします。例えば、自分が所属している組織の英語名を間違ったり、扱っている天体の名前を間違ったりと、いろいろです。これらの間違いがないかを慎重に確認しながら、作業を進めていきます。
この仕事を引き受けたとき、「美しく仕上がっているか」については、主観的な問題のような気がして、ちょっと戸惑いましたが、実はマニュアルがあるのです。学術雑誌の体裁について、こと細かくルールをまとめた、“The Chicago Manual” という本があり、それに従っていけばきれいに仕上がる、というわけです。美しさにも科学的に考えられた基準がある、というわけです。
機会をとらえて、どんなふうに「美しく」修正していくか、ご紹介しましょう。
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