彗星(すいせい)という天体の種類があります。ほうき星とも呼ばれることもあります。
これらの天体は、明るい「核」の部分と、長く伸びた「尾」が特徴です。地球や木星などとは違い、太陽のまわりを細長い楕円軌道で移動していて、その周期は数年のものから数百万年のものまで、さまざまです。
有名なものに、「ハレー彗星」、「百武彗星」などがあります。20世紀最大の彗星といわれた、「ヘールボップ彗星」を写真で見てみましょう。
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クロアチア、イストリア半島の都市Pazinの空をよぎるヘール・ボップ彗星(© Philipp Salzgeber) |
彗星は「汚れた雪玉」、あるいは「凍った泥団子」のようなものと考えられています。太陽に近づくにつれて、水や二酸化炭素の氷がとけ、ガスになり、光輝いて見えます。
彗星と流れ星は違います。彗星は地球から遠く離れたところの天体であり、数日から数か月にわたって見えます。一方で流れ星は地球の大気圏に隕石が突入し、大気圏で燃えたときに光るもので、一瞬の輝きしかありません。
彗星の中には、木星や太陽に衝突してしまう場合があります。「シューメーカー・レヴィ第9彗星」は、木星に衝突し、消えてしまいました。この彗星は、木星への衝突前に、木星の強い引力のせいで分裂してしまいました。分裂した複数の彗星が、次々と木星に衝突する様子が、シミュレーション映像で示されています(提供:ESA/Hubble)。
太陽にも衝突することがあります。ということは、地球に衝突する可能性もないわけではありませんが、現在のところ、ここ数十年のうちに地球に衝突するような彗星は確認されていません。ただ、地球上の水は、かつて彗星が宇宙から持ち込んだものではないか、という研究が報告されています。また、地球上にある大きなクレーターのいくつかは、彗星の衝突によるものではないか、とも考えられているのです。
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