2011年10月27日木曜日

マイコプラズマ肺炎

私の授業を受けている学生さんが、「マイコプラズマ肺炎」にかかってしまった、と聞きました。あまり聞きなれない病名ですが、今年はこの病気が流行していて、注意しなければなりません。

マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)は、細菌として分類されている微生物ですが、細菌とウイルスの中間的な性質をもっています。たとえば、
・ 一般的な細菌よりもかなり小さい
・ 細菌がもっている細胞壁をもっていない
・ 細菌のように自ら分裂して増殖する
という特徴をもっています。



このマイコプラズマに感染したことによって、肺に炎症が起こった場合、マイコプラズマ肺炎と診断されます。マイコプラズマに感染した時の症状には個人差がありますが、比較的長く高熱やせきに悩まされます。場合によっては入院しなけらばならないほどの症状を示す人もいます。なかなか治らない風邪だと思ったら、マイコプラズマ肺炎だった、ということもあります。

適切な治療を受ければ症状はよくなりますが、最近は抗生物質が効かないマイコプラズマが増えているという報告があります。研究機関の調査によると、約95%のマイコプラズマが、かつて効果的だったマクロライド系の抗生物質に耐性を示すことが報告されました。つまり、抗生物質が効かない、ということです。幸い、マイコプラズマにはほかにも効果的な抗生物質がありますので、治療を受けることができますが、抗生物質を病院で処方された場合は、勝手に服用をやめずに、きちんと最後まで服用しましょう。

日本は抗生物質の処方が非常に多いといわれています。本来は抗生物質が必要ない人にも処方され続けた結果、その薬に抵抗力をもつ細菌ができてしまったわけです。また、必要な量の抗生物質を最後まで服用しないことでも、抵抗力をもつ細菌ができてしまいます。抗生物質が処方されたら、完治するまできちんと医師の指示に従いましょう。

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