2012年5月8日火曜日

「出る杭」は打たれるか?

朝歩いていると歩道の植え込みのツツジが咲いていることに気がつきました。きれいに刈り揃えられた植え込みでは、多くがその表面に花をつけていますが、写真の花は枝をまっすぐに 50 cm ほども伸ばして咲いていました。

日本人は「横並び」の精神が強く、どんな状況でも周囲を見ながら、抜け出すことのないように用心深く行動すると言われています。「出る杭は打たれる」という諺にあるとおりです。

しかし、最近の学生を見ていると、必ずしもそうとは言えないようです。将来の夢を尋ねてみると、「トップを追い求めてみたい」とか、「○○の分野を極めて栄光を手にしたい」などと返答する学生も目立ちます。横並び意識は、全体のベースアップには効果があるかもしれませんが、近年はそのベースアップにも限界が見えていることも確かのようです。

若い学生たちが彼ら自身の夢を胸に抱きながら、希望に向かって進んでいくことはとても大切だと思います。夢は行動の原動力となるからです。宇宙のことを知って人に話してみたいとか、物理を勉強して自分の夢を叶えてみたいとか、勉強するのもいろいろな動機があるものです。大学は出る杭を打つようなことはしません。逆にもっと出るように、さまざまな手助けをすることこそが、教育です。

高く伸びたツツジ、最後まで刈られずに咲いていてくれればいいのですが。

(2011年掲載分)

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