5月5日になると、北海道電力の泊発電所が定期点検のために運転を停止し、日本国内の原子力発電所がすべて停止することになるのは、ニュースで報道されているとおりです。
夏の消費電力量予測が電力会社から発表されており、関西電力や北海道電力の管内では電力が不足する見込みです。いっそうの節電などが必要となりますが、工場操業の計画的な停止などを実施すると、生産量の低下によって、景気に水を差すのではないかとも心配されています。
大阪市の橋下市長は、節電に協力した大口契約者などへの料金割引や、自家発電を促すインセンティブの原資として新税の導入を提案し、「再稼働を止めればどういう負担が生じるか認識してもらった上で(大飯原子力発電所周辺の府県民に是非を)判断してもらわなければいけない」と話しています。
これはなかなか難しい判断を迫っている問題のように思います。橋下氏は、「本来電力会社がやらないといけないことだが、動きそうにないので考えないといけない」と述べたと報道されています。
この発言は一連の原子力発電所の事故に端を発した、日本人が初めて本格的に直面する「科学技術政策について、科学的に市民が判断する」という状況に、「地方税の付加」という、より複雑な要素が持ち込まれ、科学的な判断を遠ざけてしまう問題になるかもしれません。
あまりに複雑な原子力政策に対して、初めて私たちが科学的に判断する必要がある場面ですが、このような場合に住民により多くの負担を強いる政策を掲げると、市民の判断を難しくさせる場合があります。地方税を導入する前に、電力会社が何らかの発言をするのが順序と思いますが、どうでしょうか。このままでは議論にならないように思います。
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