2012年4月21日土曜日

梅の危機

2009年から、日本では梅に感染する「プラムポックスウイルス」が確認されています。このウイルスは、アブラムシを介して梅に感染し、葉や果実に斑点を生じさせます。果実の見た目が悪くなることで、商品価値が失われてしまうことと、ワクチンが開発されていないため、梅の栽培農家にとっては大問題です。

このウイルスに感染した場合、対処法としては残念ながら、感染した樹木を伐採し、感染が広がることを防ぐしか、手立てはありません。予防のためには、アブラムシの完全な防除が必要です。

現時点で、農林水産省と東京都は、ウイルスの根絶のため、緊急防除を行っています。防除の内容は、①感染あるいは感染の恐れがある樹木を伐採、②梅などの樹木の移動を制限、となっています。これらが実施されている地域は下の地図の赤斜線のエリアに設定され、広い範囲に及んでいます。

農林水産省植物防疫所より
プラムポックスウイルスは、1915年にブルガリアで発見されて以来、ヨーロッパ、アジア、北米、南米などでも確認されているものです。ヒトに感染することはありませんし、このウイルスが感染した梅の果実を食べたとしても害はありません。

しかし、上述のように梅栽培農家には大打撃を与える感染症ですので、今後の動向が注目されています。

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