昨日の 17日(月)は、恒例の「おとなの星空探検隊!」でした。法政大学多摩キャンパス周辺は、夕方までは雲がやや多めでしたが、暗くなってからはきれいな星空になり、無事に観測することができました。
金星・木星・火星と惑星の位置を確認して、冬の代表的な星座の一つ「オリオン座」を確認してから、「ヒアデス星団」や「プレアデス星団」を双眼鏡で観測しました。ヒアデス星団とプレアデス星団は、双眼鏡で非常にきれいに見ることができます。特にプレアデス星団は、肉眼でも「もやっと」した白い塊として認識できます。そこを双眼鏡で覗くと、青っぽい色をした星々を見ることができます。
電子望遠鏡 eQuinox2 を使って、いくつかの銀河を確認することもできました。メシエ天体の中では暗くて観測しにくいとされている銀河 M109 を捉えることができました。
M109 |
これは「棒渦巻銀河」に分類されている銀河で、中心核を棒状の構造が貫いています。棒は銀河の他の部分と同じように、たくさんの星が集まっているものです。その棒の両端から、腕が伸びています。
同じ棒渦巻銀河で、NGC2903 も確認することができました。棒状構造と腕の構造は、NGC2903 のほうがわかりやすいようです。
NGC2903 |
棒渦巻銀河は、観測されている銀河のおよそ半分を占めています。私たちの銀河系も、棒渦巻銀河です。一般に、棒渦巻銀河の中心核と棒の部分には古い星が多く存在し、腕の部分には若い星が多く存在しています。
私たちの銀河系は、かつて渦巻銀河だと考えられていました。私が小さい頃に見た図鑑にも、銀河系は渦巻銀河として描かれていました。銀河系がどのような形をしているかは、「スピッツァー宇宙望遠鏡」の赤外線による観測などをもとに、銀河系の詳細な地図が研究によって示され、どんどん精確になっています。
銀河系の形は、どんなに精確なデータを手に入れても、想像することしかできません。それは、私たち人類は銀河系全体を見下ろして観測することができないためです。自分自身を見ることができないことと同じです。
その代わり、似たような形の銀河をたくさん観測することで、私たちの銀河系との比較などを行いながら、さらに精確な銀河系の形や特徴を探し出しているのです。