2021年5月17日月曜日

うがいでは、毎回うがい薬を使うべき?

 「新型コロナウイルスの感染を防ぐために、手洗い・手洗いを心がけています。毎回気になって、うがい薬を使っているのですが、うがい薬にどれほど効果があるのでしょうか?」という質問がありました。

厚生労働省の「新型コロナウイルス感染予防のために」には、うがいは含まれていません。昔から、外から帰ったらうがいをすることは風邪の予防になると言われてきましたが…

うがいの有効性についての研究はそれほど多く行われているわけではないようですが、2005年に日本人研究者によって、上気道感染症(いわゆる風邪)に対するうがいの効果についての学術論文が発表されました。この論文では、18歳から65歳の387人を次の3グループにわけ、60日間の健康状態を確認しました。

  1. 水で1日に3回、うがいする
  2. ポビドンヨード液(うがい薬)で1日に3回、うがいする
  3. ふだんどおりの生活をする(うがいについての指示をしない)
60日間に、130人が上気道感染症に罹りました。結果のみを示すと、もっとも罹りにくかったのは「水で1日に3回、うがいする」グループで、次が「うがい薬を使ったグループ」ということだったそうです。統計的に、水でうがいすることに効果があることが確認されたものです。ただし、なぜ水でうがいをすることが風邪を防ぐ効果があるのかは、よくわかっていません。

殺菌効果をもつうがい薬は、口の中の常在菌を殺してしまうため、一日に何度もうがい薬を使うべきではない、と私のかかりつけ医は考えているようです。水でのうがいで考えられる副作用はないようですので、気になるようであれば帰宅時にうがい薬を使い、それ以外は水でうがいする、という使い分けをするという考え方もありますね。

風邪を引いてしまっても、水によるうがいには症状を和らげる効果があると、先の論文には示されていました。

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