2013年4月19日金曜日

地球のマントルを探査する

 天体としての地球は、層状の構造をしています。外側から、地殻・マントル・外核・内核となっており、その中でもマントルは地球の体積の約80パーセントを占めています。しかし、これまで人類はマントルを直接手にしたことはありません。それは地殻をマントルまで掘り進めることは極めて難しいためです。

 「マントルを直接探査しようとする試みはなかったのでしょうか」という質問が寄せられました。実は、その試みに挑戦しているのは、日本の地球深部調査船「ちきゅう」と国際共同研究チームです。その研究開発費は約800億円にもなります。地殻がもっとも薄いところを掘り進め、マントルを直接採取しようという計画です。

 地殻は場所によって厚さが違います。陸地では地殻は厚くなっていますが、海底の地殻は薄く、約6キロメートルほどといわれています。その地殻を掘り進む作業の鍵は、ドリル。掘削中に高速で回転するドリルの先端部は、およそ50時間ほどで交換しなければならないそうです。このドリルをいかに強固につくることができるかで、目的達成までの期間が変わってきます。

 現在では、2020年代の初めには、人類はマントルの物質を直接手に入れることができるだろう、といわれています。地球の深部を探る研究には、材料工学の研究の進展も必要、ということでしょうか。

 惑星の内部構造は、それぞれの惑星によって少しずつ異なります。左から順に、水星・金星・地球・月・火星の内部構造が示されています。それぞれの惑星についての話は、また別の機会にしましょう。

各惑星の内部構造 (C)NASA

1 件のコメント:

  1. 物理の授業毎週楽しみにしております。
    先生の授業はとても興味深く、動画を中心としたわかりやすい授業で宇宙について詳しくなれました。
    あしたの授業も楽しみにしております

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